vol.2  株式会社大津屋様

 
なぜ仕事にはユニフォームが必要なのか。ユニフォームを着るとどんな効果があるのか。このコーナーでは、ユニフォームにこだわりのある仕事人にスポットを当て、ユニフォームに対する想い、お気に入りのポイントや失敗談、そして仕事のよもやま話まで赤裸々に語っていただきます。第2回目は、地元密着型のコンビニエンスストアや惣菜ショップで地元民に愛される食文化を生み出す、株式会社大津屋様。今年、福井駅前に建設された「ハピリン」※¹にオープンした福井市観光物産館「福福館」は、和をコンセプトにした、なんとも雰囲気のある店内。観光客だけでなく、地元の方にも親しみのある空間にしたいという想いが込められた制服とは・・・?福福館


※1 ハピリンについて
平成28年4月28日に福井駅前に新たに開業したJR福井駅西口再開発ビル。
能舞台付きの多目的ホールやプラネタリウムにもなる日本一高精細のドームシアターといった文化施設や、北陸地域で人気の飲食店、伝統工芸品も並ぶ土産物店が出店。県外からの観光客の新たな誘致スポットとなっている。
http://www.happiring.com/




稲木様 人物紹介:福井市観光物産館福福館 コンシェルジュお市の方
稲木汐瑠氏
 
経理を経て、7年目で新規オープンの福井市観光物産館「福福館」を一任。福井の名物を提供する食事の場に加え、地元の名産や地元で採れた新鮮な野菜などを購入できる、今までにない観光物産館を目指し、日々奮闘。観光客へのアプローチだけでなく、地元民が気軽に立ち寄り、日常の一部となるような空間作りにこだわっている。
(H28.9現在)



CONTENTS 1分でわかるユニフォーム×仕事人


>>今回のユニフォームはこちら





江戸時代を意識した空間にマッチするのは「コレ!」


店内全体の様子あたたかみのある木調の店内でいつまでもいたくなる空間です



―今回、お店のオープンにあたって制服を揃えていただきありがとうございました! さっそくですが、こちらの制服を選ばれたきっかけは何でしたか?

ここ「福福館」のコンセプトが、「江戸時代をイメージした館」で進めていたんです。それで、制服もおのずと和装が選ばれました。


―なるほど、確かにお店の雰囲気も江戸時代を意識した和の雰囲気が出ていますね。


厨房見える風景紺色ののれんに赤や黒の食器が和の雰囲気をアップ



こちらの内装ができあがる前からイメージ図がこのように絵になっていたので、それを見た瞬間に和装が合うなと思っていたのですが、それも明るめで華やかではなく、落ち着いた印象の作務衣がピッタリだと。


―シックなお色なので、木調の店内でもスタッフの方が際立っていますね! 制服を決める過程はどのような流れでしたか?

最初に人事のほうでサンプルを引いたのですが、そのあとに実際に着る人間が選ぶことになり、どれがいいですかって聞かれたので、私の独断と偏見で「コレ!」と決めさせていただきました(笑)。


惣菜盛る店員さん髪をまとめる三角巾もネイビーで統一し、落ち着いた印象に



―そうなんですね! 素早く決められたポイントは何でしょう?

今回はスタッフも新規採用だったので、決定権を持っている人間が少なかったこともあり、実際に着用する中では私に選択権があったので、選びやすい環境だったこともあると思います。最初はシャツも候補には挙がっていたそうなんですが、社長に「これは和じゃない」と人事のほうで怒られたそうです(笑)。やはり制服を決めるとなると、プレッシャーや責任もありますし、不満を避けるために無難になってしまったりしますしね。


―そうだったんですね! お色はネイビーを選ばれたのはなぜでしょう?

ここのイメージカラーが紺、ワインレッド、深緑、茶色って思っていたんです。なので、きっとこの色ならお店に映えるだろうなと思いました。


―そういえば、お盆や器にそのようなお色が使われていますね。

そうなんです。原色ではなく、やはり館の色や雰囲気に合わせた制服と考えた時に「コレ」だと思いました。


お酒コーナー飾られた日本酒でお店の雰囲気作りを演出



―作務衣にも生地感が異なるものなど、種類もいろいろとあったと思いますが、デザインではどのような点を考慮しましたか?

制服を決定した際には業務内容も皆無だったので、そこはあまり考えていませんでした。初めはエプロンもつけていなかったり。なので、そのあとに業務に合わせながら今の前掛けや三角巾も見つけていったという感じでした。でも、こちらの制服は洗濯したらすぐ乾きますし、しわにならないですし。洗濯機能性としてはよい制服です!


―ありがとうございます! そう言っていただけて嬉しいです。




定番作務衣も「衿元柄一点」でお店の顔に


―オープンにあたって、制服を初めて着られた従業員の方の感想はいかがでしたか?

やはり、今までの店舗と違って雰囲気は出ますよね。大津屋が経営しているコンビニの「オレボキッチン」などで採用しているシャツは普段着なれている分、着やすかったりしましたが、こちらの作務衣はまた別物なので、気持ちの切り替えとしては大きいと思います。これに着替えたら働くぞ、というスイッチになっているのではないでしょうか。


―なるほど、作務衣にしたことでそういった役割も果たしているのですね。



厨房男性店員さん男性は付属の衿でシンプルな着こなしが凛々しく見えます



―制服選びのときは、意見や好みもバラバラなので、それをまとめようとしてなかなか決まらない所も多いんです。今回、選定の際には従業員の方にヒアリングをせず問題ありませんでしたか?

今回はオープンのときということもあって、みんなで一緒に頑張ろうという思いの集まりの中で着たものだったので、特に問題ありませんでした。もしこれがよくないんだったらこうしていこうか、というような前向きな発言がしやすかったりそういった雰囲気作りも日頃から心がけているんです。


―なるほど、その雰囲気作りはすばらしいですね! みんなで頑張るという雰囲気の中に、この制服が少しでもお役に立てたのでしょうか。

暑いから嫌とか、誰がこれ決めたの?という雰囲気はなかったですよ。オープンにあたってみんなで一致団結して頑張ってきたので、環境や雰囲気もすべてがよかったのだと思います。さらに、制服があって助かりました!


―嬉しい限りです! オープンにあたってさらにスタッフの方のモチベーションにつながっていれば幸いです。



あとは、華やかにしたいと思って女性は衿を柄入りのものに変えてみました。付属の白衿だと少し寂しいのと、衿に赤みあったほうが女性も顔色が映えますしね。


―替え衿は女性のみなのですね! ネイビーの作務衣にもすごく映えている和柄です。



替衿アップしっかりと厚みのある作務衣と和柄の替え衿が雰囲気アップに効果的



この作務衣そのままでも、重厚感とまではいかないですが、しっかりした生地なので見栄えがいいですね!


―実はこちらの作務衣のシリーズは、福井県産の生地なんです。

そうなんですか! 知らなかったです。福井市の観光物産館として、お店のコンセプトにもマッチしますね。


―そういう点も踏まえて選んでいただけてよかったです!



惣菜エプロンアップ前掛けにはハンディやペンを入れられるポケット付き





採用商品はこちら





作務衣選びの失敗しないポイントとは?


―稲木様は、実際に着用していてもっとこうだったらよかった、という点はありますか?

このような形の作務衣は、かけ合わせがはだけやすいので、その部分にボタンが一つ欲しいですね。普通の着物の形だと高い位置で帯で締めることではだけにくいと思いますが、作務衣は体型によって作業中にはだけてしまうところが少し悩みではあります。今は、個人で名札の安全ピンやボタンなどで留めるようにして対策をしています。


―そうでしたか・・・。確かに女性からはそのような声をいただくことは多いんです。提案の際にはそれもお伝えしたうえで、改善策を一緒に考えて解決していくことがこちらとしても課題でして。



惣菜とりわけ胸元アップはだけやすさが女性にとって課題の作務衣



そうだったんですね。あとは、素材感でいうと若干暑いようです。福井県産の生地、通気性がもう少しあれば・・・(笑)。


―ポリエステルがメインなので、綿素材のものに比べるとそういう声は多いですね。その分、色落ちのしにくさやしわになりにくさが長所です!

あとは、私自身は暑いとはあまり感じませんでしたが、厨房でも同じ作務衣を着用しているので、厨房だと暑いのかな? 作業内容によって制服を変えたほうがよかったかも、と感じています。


―店内は涼しいですが、厨房の方には暑いかもしれませんね。

選んだ時は暑い時期ではなかったので、下に長袖着たままの試着で決めたこともあり、そこまでは分からなかったです。逆に冬はちょうどよいのかなと思いますよ。


厨房胸元厨房の食材の扱いも安心のもたつきなくすっきりとした袖元



―オープンして新しい制服になったばかりではありますが、もし次に制服を新しくすることになったら、今回を反省してどのような制服にしたいですか?

そうですね、個人的にですが、もっと旅館のような制服にしてもよかったかなと思っています。今はズボンを私物にしていますが、上下フル装備の作務衣で、エプロンももっと高い位置でするようなものでも悪くなかったなって。


厨房現場のチームワークや連帯感を高めるのがユニフォームの役目です



―二部式着物のような感じですね! 確かにこのお店の雰囲気に合いそうです。そのときもやはりネイビーがよいでしょうか?

どうしましょう(笑)! ワインレッドもいいですね。あと、こちらの「福福小屋」というイベントホールでは落語も開催したりしているのですが、そのときにこの制服で準備をしていると、暗いので黒子になってしまうんですよね。なので、用途によって分けてもいいのかなと思いました。


―暗いところだと生地が黒っぽく見えてしまうんですね。

でもこの制服自体は気に入っているので、変えることはしばらくないと思います!


福福小屋看板落語などのイベントを開催してお客様を楽しませる「福福小屋」




お店作りの苦労は「みんなの思いをひとつに」


―新規オープンということで、当時の心境はどうでしたか?

オープンではたくさんのお客様に来ていただけましたが、それだけ注目されているんだなっていうプレッシャーはありました。やってきたことが成果につながった喜びと、これだけの人に期待されているというプレッシャーと、これをいつまで続けられるかという不安が重なって・・・。


福井の著名人色紙福井にゆかりのある方の色紙がずらりと並んでいます



―テレビでも拝見しましたが、ゴールデンウィークが重なったこともあってお忙しそうでしたね。今おっしゃった「続けていく」ために、お店全体で意識していることはありますか?

とにかく改善は早くを心がけています。問題を最初にあげて、改善していきます。たとえば隣の物販のほうでは、お客様から人気の商品は増やして、だめなのはすぐ切ってというふうに、商品をすぐに入れ替えてお客様に飽きられないようにしていたり。


―そうなんですね。では、改善策が決まるのも早いということでしょうか。

今回も、商品レイアウトの変更はもちろん、待合室がないから椅子を並べてみたり、人目が気になるからのれんを下げたり、人が足りない部分といらない部分とでシフトをすぐに変えたり。会議、改善、またそれに対しての問題点を出して・・・というのを今もまだ繰り返している途中でして。それが成功につながっていることもあれば、逆にその改善がダメで、もう一回やり直しとなるのもあります。


お惣菜コーナーバイキング形式で惣菜と取り分けることができ、観光客も地元客も楽しめる演出



―なるほど、そのような問題点を言いやすい環境なのですね。

そうなるようには努めています。逆になっていない時には厳しく言いますし、そのバランスは難しいですが、職場のコミュニケーションはとても大切にしていますよ。


―新規採用のスタッフの方も多かったということで、やはりおもてなしの面でも苦労があったのではないでしょうか。

ありましたね。たとえばパートさんやアルバイトの方は、やりがいを求めているか金銭を求めているかによっても働き方は変わってくると思うんです。
でも、ここは福井市の観光物産館ということで行政も関わる場所なので、レジでただ「いらっしゃいませ~」「ありがとうございました~」という流れ作業ではダメだったんですよね。もちろん新しいスタッフも、それを分かって入ってきているわけではないので、行動に関してはしっかりやっている方をお手本にしてもらうことで改善していこうと試みています。


―働く方全員に同じ思いを持ってもらうということは、相当大変なのでしょうね。

難しい点ですが、みんな本当に一生懸命やってくれたので、それは今から気持ちが追いついてくれればいいかなと思います。


レジ店員さん従業員の方からの意見もお店作りにおいて大切な要素




「おばあちゃんから孫へ」すべての人をつなぐ観光物産館


―こちらに来られる方は、県外からの観光客の方だけでなく県内の方も多いと思いますが、福井市の観光物産館としてどのように意識していらっしゃいますか?

この観光物産展は2つ顔を持っていて、観光客はもちろん、地元の方にも喜んで頂けるお店作りがコンセプトなんです。
たとえば、大野市から毎日朝10時にお野菜を納品してもらっているんですが、お野菜を目的に近所のおばあちゃんたちがいらして、“野菜買って梅干し買ってレジ前でどら焼き買って帰る”というスーパー的要素。そして、そのおばあちゃんが孫が帰ってきたときに、その孫が友達に何か買っていくところがないか聞かれたときに「ここ」って言ってもらって、ここに孫が来たときには、きっと野菜とかを求めているのではないので、ちょっと変わったトマトソースやちょっと変わった地サイダーも置くことで、めりはりをつけているんです。


産地直送野菜 産地直送野菜並び大野市直送の新鮮な野菜は地元のお客様にも人気です



―気軽に立ち寄れるお店感覚の物産館ですね。確かに、商品の種類がすごく豊富で選ぶのも楽しそうだと店内を見て感じました!

そういうふうに観光客の方にも喜んでもらえてたら嬉しいです。これは観光客向け、これは地元向けというのではなく、複合的に色んな方に目をつけてもらえるような商品設定、選定を工夫しています。


―商品の入れ替えも早いということで、ここに来るのが毎日楽しみになりますね!

「ここに来ればこれがある」というのも大切だけど、「ここに来れば毎回違うものがある」というのも大切だと思うので、それが当たり前になるようにしていきたいと思っています。お客様を増やすことはもちろんですが、来ていただいたお客様にリピーターになってもらえるようなお店作りを目指します!


―その心意気と努力、すばらしいと思います!



市町PRコーナー日替わりで地域を変えたブースでは毎日新しい発見ができます



―最後になりますが、今後の目標やメルマガを読んでくださっているみなさまにメッセージをお願い致します!

ただパネル展示やパンフレットがあったりして商品が置いてあるではなく、地元の方にも観光客の方にも喜んでいただけるような人間味あふれる物産館を作るぞ、という思いでここを起ち上げました。なので、福井に来たら「福福館に行くとなんでもあるから行ってみて」と言ってもらえるようなお店を目指して、地元の方から輪が広がり、全国にない物産館にしていきたいです。後々は、福井の観光物産館はこんなにすばらしいところだから、私たちの街の物産館もああいうふうに変わって行かないとだめだよねと他県の方に思っていただけたり、他県の物産館の方たちが「福井を見本にしたんです」と言ってもらえることが大きな目標です!


―私たち福井県民としても応援しています!本日はお忙しい中取材にご協力いただきありがとうございました!




インタビューを終えて

今回の取材を通して、雰囲気を重視した観光物産店ならではのユニフォームへのこだわりと、それを実現するにあたる努力が見えました。和を演出したいときにピッタリの作務衣ですが、エプロンやシャツなどとは違って、形に大きな差がないからこそ、素材感や着こなしで個性を出すというのがとても参考になりますね。また、新規オープンということもあり、その雰囲気の中で全員がユニフォームをそろえることで生み出される一体感や連帯感があることを改めて感じることができました。お客様がどのような点にこだわっていらっしゃるか、そのときの環境などもヒアリングしたうえで最適なユニフォームを選んでいただきたいです!


株式会社大津屋
【福福館】
住所:福井県福井市中央1丁目2番1号 ハピリンモール2階
電話:0776-20-2929
営業時間:9:00~22:00(飲食ラストオーダー21:30)
休館日:ビル全体に準ずる
http://www.orebo.jp/